ISO食品安全通信 第30号

ISO食品安全委員会です。
今回の食品安全通信第30号は「給食管理 課題レポートの学び」についてです。
食品安全専門人材育成プログラムは、
「食品微生物学」
「給食管理」
「給食管理実習」
「給食経営」
「衛生管理システム」の5科目で構成されています。

この中の「給食管理」では、「特定給食施設で発生した事故事例(食中毒、異物混入、食物アレルギーのいずれか)を調査し、対策に必要な事項を考察する課題があります。   

毎期、多くの実験や調査を通した考察など、次の「給食管理実習」につながるレポートが提出されています。

2025年度後期(対象者87名)のレポートでは、
【食中毒事故56件】
細菌性:24件(病原大腸菌(O157等):14・ウエルシュ菌:5・サルモネラ菌:3など)、ウイルス性:22件(ノロウイルス)、化学性:10件(ヒスタミン)
【食物アレルギー事故16件】、【異物混入事故15件】が取り上げられていました。
課題では実験や調査をすることを推奨しています。
食中毒事故では実験37名・調査16名、食物アレルギーでは実験6名・調査9名、異物混入では実験9名・調査6名と、多くの人が取り組んでいました。

実験の内容は、食中毒事故では、ドライイーストを用いた活動モデル実験や温度測定・放冷実験、手洗いについてはデンプン・絵具・油等を使用し、ヨウ素反応や手洗いチェッカーで確認したり、カビの発生などから確認したりなど、食物アレルギー事故では、交差汚染のシミュレーションや調理品の違いの確認、画像比較など、異物混入では食品パッケージを用いたり、手袋の色の違いによる視認性を確認したりなど多様な検証がされていました。

調査は、アルバイト先や知人や家族を通して食に関わる仕事をしている人やSNSを利用してアンケートやインタビューが行われていました。

レポート作成を通して、専門知識の習得にとどまらず、将来の管理栄養士・栄養教諭として「食の安全」への責任の重さの自覚、実証実験を通じた科学的理解、「当たり前の安全」を支える多角的な視点を大切にする組織管理と「ヒューマンエラー」対策の重要性についての学びを得ていました。

来年度の給食管理実習で、この学びを活かした給食の提供が楽しみです。

環境衛生学研究室 岸本 満
食教育学研究室 髙田 尚美
給食経営管理研究室 福岡 恩 上田 和世
食品安全チーム 大野 吉孝

名古屋学芸大学管理栄養学部
食品安全専門人材育成プロジェクトのホームページ

https://www.fmfsm.com/